特別寄稿


 アジア大会日本全勝優勝

元アマ本因坊  原田 実

一昨年(平成15年)はアマ本因坊になる大変な幸運に恵まれたが、昨年(16年)は、全国大会はいずれも見損じやポカで早々に敗退、よいところがなかった。ところが、10月下旬にソウルで開催された第6回アジアアマ囲碁選手権大会(韓国アマ囲碁協会主催)にお付き合いの気持ちで参加したところ、思いがけない幸運を授かった。
本大会は韓国政府(文化観光部)がアジア各国の文化交流を目的として2億ウォン(約2千万円)を協賛している大会で、アジア10カ国が参加。日本からは平岡聡、多賀文吾両選手と、私が参加した。前年(平成15年)も同じメンバーで参加して、日本が優勝したが、韓国・中国との対戦がなく、親善だけで優勝の実感がなかった。今回は、私はアマ本因坊でもないし、若手選手を推挙したが都合がつかず、結局前年通りで仕方ない参加だった。
韓国は近年プロ・アマともにレベル向上が著しく、トッププロに先で打てる実力がありながらプロになれない若者が多数いると聞いている(昨年鳳凰杯で坂井秀至君などプロを下して優勝したホン・マルグンセム選手もその一例か)。今回韓国は若手選手を擁して、史上最強との前評判で、必勝を期して自信満々の様子だった。
最終戦で7戦全勝の日本・韓国の決勝対決となった。対戦相手も抽選で決めるルールで、私は徐仲輝選手(23才)と対戦した。(注、徐選手は04年韓国アマ棋士大賞を受賞)
早碁でもあり(持ち時間各30分、秒読み30秒3回)ヤマ勘と気合だけで打ったのが、勝ってしまったのには自分でもびっくりした。多賀くん、平岡君も勝って、日本の全勝優勝となった。全く予想外の結果で、関係者一同唖然とした様子であった。
成績は@日本A韓国BロシアCフィリピンD台湾EシンガポールFタイGマレーシアHベトナムIインドネシアとなった。(中国は不参加)
本大会は年長者優遇のルールがあり(儒教の精神か)、個人賞は私が金メダルを受賞、二重の幸運に恵まれた。2位は平岡君。3位多賀君。4位から6位を韓国選手が占め、昨年世界アマ準優勝の頼宥丞(台湾)は2敗して入賞できなかった。

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(自戦コメント)
白12の趣向は、黒15と封じて黒打ちやすい。白20と黒21の交換もありがたいが、白は28、30を急ぐ作戦。黒は31から37と白を分断。白38、40の出切りは無理な感じであるが、黒43は44ツギが簡明であった。白44から接近戦に。
黒59は64、白89、黒63がよく、黒65も66がよかった。白90は気合の一手だが、右上を生きていてどうだったか。白は右上コウの代償に白100、102と連打して振り替わったが、黒103から109と左上隅にまわっては黒勝勢。
黒113は左上隅カケツギの方が少し大きい。白116の後、黒は一路上のアテを打ち損なって1目強損。黒139も2目損‥などの小ミスが勝敗に関しなかったのは幸運だった。盤を斜めに二分し、短手数でダメもない珍しい終局だった。











動作

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