特別寄稿


 鷲尾ご夫妻の回顧とお願い

本会会長  根来文生

鷲尾ご夫妻渾身の鎌倉囲碁クラブが昨年代替わりし、木村憲二さんに変わられました。

ところで、囲碁の特徴は単純さと複雑さが入り混じる世界に映ります。
そして、技量としての究極は僅少さの勝負所にある様です。

しかしながら、私の場合は勝負を度外視し何十目の大差でないと囲碁をした気がしないと言う誠に申し訳ないものです。

時にはコミにかかったり、半目勝負になる信じられない事態もままあります。其れで勝つ時もある不思議な世界です。

其の様な私に鎌倉囲碁クラブは、強くも成れず理屈も言えず、唯当然の負けを惜しみて、其れを胸に秘め、
屈託なく励める素人の在り方を身につける絶好の場所でした。

(鎌倉囲碁クラブには高段者のかたがたも多くおられる事でも有名です)

ご夫妻は18年余の間、変わる事なく囲碁好きを見守って下さいました。

私の囲碁暦は20年です。
其の殆どの期間をご夫妻にお世話になりました。
筆舌に尽くし難い感慨と共にとても感謝しています。

木村さんは私には遠く及ばない強さの常連のおひとりでした。後を継がれるにはそのお人柄のよさを感じられるすばらしい方です。鷲尾ご夫妻が築かれた鎌倉囲碁クラブの伝統を更に磨かれるものと信じています。

鷲尾ご夫妻から許免された鎌倉四段に徹し、ご夫妻の心情を汚す事の無いように素人道を突っ走りたいと存ずる次第です。
鷲尾ご夫妻並びに皆様のご健勝を祈念致します。
最後に、この場から名誉4.5段の許免を木村さんに期待し、
精進するつもりです。

元旦の激戦に早くも計は遠く去り、愚作