碁会所の工夫と努力


「囲碁クラブ 和」(なごみ)さんの『「和」通信』
編集事務局

いま、碁会所を経営することは、本当に大変な時代となった。大量退職時代だから、健全で安価で頭脳の活性化に最適な囲碁は、本来成長産業である筈である。ところが、過剰な福祉政策によって、囲碁愛好家は殆ど無料の公民館的な公共施設に流れてしまっている。このことについては、昨年の囲碁年鑑でもお二人のご意見を採り上げたし、今年も又、普及活動賞受賞の喜びで、鶴見の金井さんが述べておられるところである。
更に、インターネット対局の普及が追い討ちをかけ、碁会所人口の激減を招いている。このような厳しい条件の下で碁会所を経営し続けるためには、席料を払ってでも来て頂けるだけの、格別の魅力作りが必要である。少なくとも、店を開けて碁盤を並べていればお客さんが来て下さる‥、そんな時代ではないことは確かである。

そこで、碁会所経営者の方々はそれぞれ創意工夫し魅力ある碁会所作りに努力しておられると思うが、今回から碁会所活動の好例を紹介していきたい。先ず、田園都市線中央林間駅前の「囲碁クラブ 和」さんの『「和」通信』」とその活動内容をご紹介する。

「和」通信は、今のところ毎年8月に発行されている。内容は巻頭言から始まって、移転記念囲碁大会の模様、女性だけの囲碁サークルの発足、リーグ戦の成績発表、お客様の碁以外の趣味の紹介、少年2人の活躍ぶり、『和』ギャラリー、『和』ライブラリーの紹介、会社OB会の活動状況、お客様の随筆や紀行文、今後の行事予定、囲碁用語の解説、お客様の年間記録等々、多岐にわたる内容はその活動振りを十分に伺うことができる。6ページに亘る、カラー写真入りで上質紙に印刷された立派なものである。自分の名前や随筆などが掲載されたお客様のお喜びはいかばかりかと思うし、広報誌としても秀逸である。