日本棋院普及活動賞 受賞の喜び


囲碁の旅は終わらない・・・

南横須賀支部 『久里浜囲碁クラブ』 支部長  梶原俊男


小2のとき囲碁を叔父から習い囲碁を知っていることの密かな誇りを感じていました。以来、貧乏学生時代は囲碁部にいてもアルバイトに忙しく卒業時は巷の三、四段程度、会社では「棋道」の不真面目な読者でしたが囲碁部を設立し多くの先輩後輩と知り合い囲碁は正に"手談"の体験をしました。

10年ほど前に、若手実力者の蘇耀国八段との出会いがあり、純真な蘇さんを応援することで中国への歴史的謝罪のささやかな草の根の交流ができるのではと蘇会の方たちと中国を訪問しました。6年ほど前には、父が戦死した国マレーシアを家内、息子と旅してマレーシア棋院chairpersonのTiong氏と対局し、また、海外出張で安い囲碁の扇子のお土産で外国人に喜ばれたことなどから囲碁の国際性を身近に感じました。

定年に近い頃、仕事の関連でマーケティングに興味をもち、市民囲碁大会や碁会所を回り囲碁愛好家のアンケートをとりインターネットに公表しました。そしていよいよ定年、残された人生気ままにと『これからは全てを忘れ旅立たん別れの花束星空に投げる』と囲碁仲間の歌人からは評価の低い歌を残し職域社会から地域社会に身を移し、囲碁や日本語教室などのボランティア活動に参加し多くのすばらしい方たちと出会いました。地域の市民囲碁大会、子供/女性囲碁教室、街の日本棋院碁会所から、広域の日本棋院県支部連合会イベントの応援、中国吉林省延吉市との子供ネット対局まで、さらに開店休業状態の碁NPO設立と雑多な体験をし、奥深く歴史ある囲碁の無限の可能性を感じました。

今回、図らずも表彰をいただきました。これを励みに日本棋院や自治体の協力を得ながら草の根の囲碁活動を発展させ、特に、小中学校への囲碁の普及と本格的ブロードバンド時代の囲碁のネット交流を推進し団塊の世代へとバトンタッチすることができれば、新しい日本の囲碁の復活に貢献できそうです。かくして私の囲碁の旅は終わらない・・・。