将棋の瀬川さん特例採用でプロ棋士に

編集事務局

囲碁の話でなく将棋の世界で恐縮だが、将棋のプロを目指し、特例の編入試験に挑戦していた本県出身の瀬川晶司さん(35)が、念願を果たした。
元々瀬川さんはプロ棋士養成機関である「奨励会」に所属し三段まで昇級したが、26歳までに卒業=プロ棋士入りできず、一旦は断念せざるを得なかった。しかし、社会人になってからのプロとの公式戦は何と17勝8敗!。「どうしてこんなに強いのにプロになれないの?」という周囲の声に再びプロへの思いに火がついて、将棋連盟に嘆願書を提出、今回の特例編入試験への挑戦が実現した。

特例試験はプロ棋士と6局指して(打ってではない)3勝すれば合格というもので、その中にはA級リーグにいるトッププロも入っているという大変な難関。しかし、瀬川さんは重圧をものともせず11月6日の5局目にして3勝目を達成、特例でプロになる61年ぶりの快挙となった。瀬川さんの凄いところは、一旦プロの道を断念した後、神奈川大学の法学部を卒業し、コンピュータ会社に就職。立派な社会人として働く傍ら、将棋の道に精進し続け、アマでは考えられないような成績を残したことである。囲碁も将棋も愛好する編者の友人は、「嬉しいです!何より人柄が良いから」と目を潤ませて自分のことのように喜んでいた。今後益々の活躍を期待したい。

このニュースは、将棋界のみならず一般社会でも大きな反響を呼び、地元神奈川新聞をはじめ全国紙の各紙、NHKをはじめてとするテレビ各局も報道し、年末近くの明るい話題となった。