◆2007年の神奈川県囲碁界を振り返って
今年は神奈川県囲碁界にとって、歴史を飾る記念すべき年となった。若い才能が一斉に開花し、各種団体戦や個人戦での目覚しい活躍ぶりは、改めて本県の層の厚さを内外に見せつけた。この陰には選手一人一人の精進もさることながら、はぐくみ育てるという神奈川県特有の県民性も大きく貢献したものと思われる。改めて、学校関係囲碁団体や囲碁教室などの世話役の方々の、献身的なご努力に敬意を表したい。
(1)先ずは、全国大会から
@「文部科学大臣杯小中学校団体戦全国大会」(7月)
中学校の部では昨年ベスト8の浅野中(諌山周平・山田亮・桑折樹)はどちらかと言えばダークホース的存在であったが、準決勝戦で麻布中(東京)を破ると、決勝戦でも西の原中(千葉)を2対1で破り、初優勝を果たした。
小学校の部でも横浜市立川島小(平野翔大・平野祐騎・山田俊龍)が決勝に進出した。1勝1敗で残りの1局も優勢で、小中学校アベック優勝実現かと思わせたが、惜しくも逆転負けし、昨年に引き続き準優勝となった。
平野翔大君は赤旗名人戦でも神奈川代表となり、全国大会では最年少(10歳)ながら大人に交じり4強入りを果たした。
A「全日本アマ本因坊決定戦全国大会」(8月)
瀧澤雄太さん(25歳・山北町)が念願の全国制覇を果たした。決勝戦はアマ名人の洪(ホン)マルグンセムさん。非勢の中で放った捨石の勝負手が功を奏し、劇的な逆転半目勝利となった。
又、瀧澤さんの師匠でもある『アマ4強』原田実さんは、昨年に引き続きベスト8入りし、存在感を示した。
B「全日本女子学生本因坊決定戦」(8月)
慶応大学2年の尹善?(ユン・ソニュン)さん(秦野市)が優勝した。
C「第53回関東甲信越静囲碁大会・山梨大会」
神奈川Aチームが宿敵東京を破り、3年ぶり通算26回目の優勝を飾った。優勝勝率5割とは凄い!
D「第44回全日本学生十傑戦全国大会」
花巻未生さん(専修大2年・厚木市)が初優勝・初タイトルを獲得した。
これらの活躍と機を一にして、3月に県囲碁界の全県組織「神奈川県囲碁連盟」が発足した。県内各地に広がる16の主要囲碁団体が結束することにより、県大会の運営が統一され、協力関係が更に強化されることになる。
本年の好成績とあいまって、磐石の基盤が完成した。
(2)次に主要な県大会を振り返って
@第55回神奈川囲碁十傑選(1月)
優勝:佐野稔、準優勝
A2第5回毎日杯都市対抗戦(3月)
優勝:横浜市A、準優勝:川崎市B
B第7回全日本こども大会(3月)
優勝:斎藤正樹、準優勝:諌山周平
C第17回湯河原温泉春のたより(4月)
優勝:宇宙棋院みのる会、準優勝:若葉会、3位:藤江囲碁サロン
D第13回県高校春期大会(4月)
《男子》優勝:渡邉拓未、準優勝:鈴木貴裕、3位:千枝光司
《女子》優勝:東門道子、準優勝:干川知帆美、3位:浅利玲那
☆第2回朝日アマ名人戦(5月) @金沢盛栄、A窪庭孝
E第112回横浜市各区連盟対抗戦(6月)
優勝:港北区、準優勝:戸塚区
F第27回少年少女大会(6月)
県代表小学生=斎藤正樹、平野翔大、石村竜青
同中学生=山田亮、諌山周平、平山由佳理
G第31回全国高校選手権(6月)
県代表=【団体】《男子》優勝:桐蔭学園、準優勝:聖光学院
《女子》優勝:平塚江南、準優勝:七里ガ浜
【個人】《男子》優勝:渡邉拓未、準優勝:鈴木貴裕
《女子》優勝:東門道子、優勝:干川千帆美
H第4回県小中学校団体戦(7月)
県代表 小学校=川島、大豆戸、名瀬、港
中学校=浅野、西本郷、聖光学院、上溝南、湘南白百合
I第2回神奈川工科大学杯県高校(7月)
団体=優勝:大和東、準優勝:大船
個人=優勝:鈴木貴裕、準優勝:池田隼也
J第52回アマ本因坊戦(7月)
優勝:瀧澤雄太、準優勝:吉田日向
J第28回世界アマ選手権戦(8月)
優勝:瀧澤雄太、準優勝:池田陽介
K第4回県ジュニア十傑戦(8月)
優勝:斎藤正樹、準優勝:諌山周平
L第13回日本棋院支部対抗戦
チャンピオン戦=優勝、関内本因坊、準優勝:金港
M第1回神奈川県囲碁連盟対抗戦
優勝:藤沢、準優勝:横浜市A
N第7回県最強戦(10月)
優勝:高根宏之、準優勝:府川浩二
O第113回横浜市各区連盟対抗戦(11月)
優勝:鶴見区、準優勝:瀬谷区
P第27回アマ女流大会(11月)
全日本女流アマ県代表=野村園美、平山由佳理、山守真紀、福田ひかる、谷結衣子、谷麻衣子
Q県高校秋季大会(11月)
【団体】《男子》優勝:聖光学院、《女子》優勝:平塚江南
【個人】《男子》優勝:中川真志、《女子》優勝:干川知帆美
R第44回県ブロック戦(11月)
優勝:宇宙棋院みのる会、準優勝:臥龍会
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◆「神奈川県囲碁連盟」の発足
県内の主要囲碁団体による全県下的組織「神奈川県囲碁連盟」が、元アマ本因坊名人原田実さんらの呼びかけで、19年3月9日に発足した。
これにより、各団体が独自に決めていた大会日程の調整も可能になるほか、情報交換や交流を活発にすることにより県内の囲碁普及に大きな弾みがつくと期待されている。
(1)主要団体が大同団結
県内で行われる市民大会、文化祭の大会などは、その地域で組織する愛好家などで運営されている。更に小・中・高の各囲碁連盟なども、個別に大会運営を行っている。
特に、県大会、全国大会予選など主要な大会も、日本棋院神奈川県支部連合会と神奈川県囲碁連合会の2大組織がそれぞれ個別に行っていたため、開催日の調整が上手くいかなかったり、参加費やシード選手の取り扱いが異なっていたりしていたため、囲碁ファンから主催団体の一本化が望まれていた。
新連盟はこれら全県レベルの大会を今後は全て統一して主催することを規約に定め、情報の交換・共有を進めていく。
結成総会は、横浜市西区の崎陽軒本社で開かれ、規約の承認や役員の選出を行った。今後、大会ルール、手合割り、ハンディの統一など、小さな組織では対応が難しい課題にも取り組んでいく。また、当神奈川囲碁年鑑も、当連盟の発行となる。
連盟傘下には「湘南ひらつか囲碁まつり」を主催する平塚市文化財団や、全国に先駆けて中学校囲碁選手権戦を創設した県中学校囲碁連盟など、全国的にも知られる団体が名を連ねている。
「大都市圏でこのような全県下的な組織の結成は聞いたことがない。全国で初めてではないか」(日本棋院・一宮正人普及事業部長)、全国的な注目も集めそうだ。
(なお、当囲碁連盟発足の陰には、山本正さんの一方ならぬお骨折りがあったことを付言しておきます。山本さんのご尽力なくして当連盟の発足はなかったとも言えます)
(2)加盟団体----いずれも公式大会を開催している団体(あいうえお順)
@厚木市囲碁連盟、A神奈川県小学校囲碁連盟、B神奈川県中学校囲碁連盟、C神奈川県高等学校囲碁連盟、Dこども囲碁普及会、E西湘囲碁文化同好会、F茅ヶ崎市囲碁連盟、G日本棋院神奈川県支部連合会、H秦野市囲碁同好会、I藤沢市囲碁連盟、J平塚市文化財団、K平塚市囲碁連盟、L三浦半島少年少女囲碁連盟、M南足柄市囲碁同好会、N横須賀市囲碁連盟、O横浜市囲碁連合会
(3)連盟役員(あいうえお順)
会長: 野並豊
副会長: 原田実・平山重松
常任理事: 柏倉清蔵・加持晋吾・佐々木慶・辻誠・松本泰男・山本正
監事: 佐藤平八
事務局長: 山本正 事務局長代理 加持晋吾
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