囲碁王国、神奈川県から常石プロ誕生へ           

吉報
 すでに皆様ご存知のように、常石隆志さん(19歳 三浦市出身)がプロ入りを決めました。日本棋院の棋士採用試験は夏季と冬季があり、夏季1人、冬季2人の計3人がプロになることができます。冬季採用試験はアマも予選から参加でき、院生上位10人に、予選通過者6人を加えた16人が総当たりのリーグ戦を行います。常石さんは冬季の採用試験で16人中13局目で12勝1敗とダントツの成績を収め、残りの対局を待たずにプロ入りが決定しました。
 囲碁王国、神奈川県からは、常石さんに続いて2位で合格した孫普iそんまこと)さん(14歳)、今年度入段の沼舘沙輝哉初段、昨年度入団の稲葉貴宇初段と続々とプロ棋士が誕生しています。本ページでは、常石さんの素顔に触れてみたいと思います。

素顔
 常石さんは、三浦市立名向小5年のとき、「ヒカルの碁」のテレビアニメを見て囲碁を始め、三浦市アマ強豪の中山弘さんに指導されてめきめき頭角を現し、6年生で小学生の全国大会で8位に入賞するほどのに成長しました。「ヒカルの碁」の主人公の進藤ヒカルは小学校6年で囲碁を始めたので、ほぼヒカルと同じように歩み始めたということになります。

、中学生でプロを目指して日本棋院の院生になり、プロ初段目前までに上りつめたところで17歳の年齢制限で院生をやめました。以降、プロ志望の思いは強く、横浜の宇宙棋院日本棋院支部を中心に囲碁のインストラクターをしながら自己研鑽、最年少タイ記録で朝日アマ名人のタイトルを獲得しました。ここまでは、当ホームページ(HP)で報告済みです。宇宙棋院では、小林覚九段のお兄さん(プロ棋士)のご指導を受けました。

 今年度に入り、中山さんがビジネスで韓国に精通していたことから、韓国に3ヶ月ほど囲碁留学するなどして実力を養い、7月にはアマ名人位を防衛していることは、これも当HPで報告済みです。

 ここで、常石さんの実力向上の経緯を、常石さんの周囲の大先輩の方たちのとの棋譜でご鑑賞ください。

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常石さんが三浦市立上原中3年生のとき、子ども大会での特別企画として原田実元アマ本因坊に指導碁を打って頂きました。 白 原田実元アマ本因坊・名人 vs 黒 常石隆志(上原中3;当時)----黒先、白5目勝ち
院生時代、久里浜囲碁クラブの館石康寛師範(慶大囲碁部出)の指導碁を受けていたので、昨年アマ名人獲得を記念して恩返しの対局が実現しました。 白 常石隆志朝日アマ名人 vs 黒 館石康寛久里浜囲碁クラブ師範----黒先、白7目勝ち 

 そして、この度、日本棋院の冬季採用試験を主席でパスしました。
 これに伴い、常石さんは朝日アマ名人のタイトルを返上されました。

編集後記
 常石さん本当におめでとうございました。昨年、アマ名人を獲得し、いづれプロになれると周囲の誰しもが信じて疑わな雰囲気でしたので、逆に相当のプレッシャーは感じていたと思います。しかし、それを感じさせないほどの堂々とした、自然体の実力を発揮されたと思います。先日、私の車に乗られたとき、アマ名人を獲得したときのインタビューで、今をときめくゴルフの同年輩の石川遼さんのように上手く話せなかった、ときどき長距離のウォーキングをしているなどの話を聞いたとき、厚い壁に挑戦している若者として精神統一に心掛けているなと感じ、念願達成は間違いないと思ったことは当たっていました。
 インタビューで、将来世界戦に出たいとのことでした。正にいま、中国広州市でアジア大会が開かれていて囲碁は頭脳スポーツと位置づけられて井山名人を始めとする日本を代表する選手が参加していますが苦戦は免れないと想われます。早く、常石さんに登場していただきたいと思います。
 囲碁王国、神奈川県から今年度も棋士採用試験に合格し、少年少女囲碁大会小学生の部では重田一就 (藤沢市立富士見台小6年)くんが優勝しています。県支部連合会および県囲碁連盟は、毎年このような報告ができるように神奈川県の囲碁を応援して行きたいと思います。


 <編集>梶原俊男(県支部連合会常任理事、県囲碁連盟事務局