重田選手(小学生の部)優勝、佐野選手(中学生の部)準優勝
                   
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文部科学大臣杯少年少女囲碁全国大会

 日本棋院が主催する第31回文部科学大臣杯少年少女囲碁大会が、8月3日、4日の両日、日本棋院で開催され、神奈川県代表は、小学生の部で重田一就選手(藤沢市立富士見台小6年)が優勝し、中学生の部では佐野飛鳥選手(栄光学園中2年)が準優勝するという活躍ぶりを見せた。神奈川代表の優勝は、第25回大会小学生の部で金沢真選手(現プロ二段)以来6年ぶりの快挙である。日本棋院が主催する本大会の歴代優勝者の多くはプロ棋士になっており、囲碁に親しむ少年少女たちのいわば登竜門となっている。大会には各都道府県大会で選抜された、小中学校ともそれぞれ101人の代表選手が出場した。まず、16ブロックに分かれて予選リーグを行い、各ブロックの1位が決勝トーナメントに進出し順位を競う方式で行われた。

 小学生の部の重田選手は、予選リーグ、決勝トーナメントとも圧倒的な強さで勝ち上がった。決勝戦では兵庫県代表の水精次元選手(6年)との接戦を制して堂々の優勝である。審判長のマイケル・レドモンド九段は、「白番の重田選手の攻めがよく、上辺を荒らしたことが勝因となった」との講評であった。重田選手本人は、「決勝まで来られるとは思っていなかった。ヨセで逆転されたと思ったが優勝できて嬉しい。反省点も沢山あるので、これからの碁につなげたい」と謙虚に語った。終始対局を見守った重田選手の父浩郎さんは、「いまだに信じられない。1回戦で負けるものだと思っていた」と喜びの表情であった。重田選手は今後院生になってプロを目指すそうだ。

 中学生の部の佐野選手も快調に勝ちあがったが、決勝戦で富山県代表の大表拓都選手(2年)に破れ、優勝はならなかった。佐野選手は、「力を出し切ったので悔いはない。緊張して形勢判断ができず、無理な手を打ってしまった」と決勝戦を振り返った。神奈川県代表は6人出場したが、5人が厳しい予選リーグを突破した。このうち、芝野虎丸選手(相模原市立鶴園小5年)と、中学生の部では前田暖選手がそれぞれ7位と健闘し、合計4人が入賞を果たした。神奈川勢の層の厚さに、会場からは賞賛の声が上がったことは言うまでもない。

 『囲碁王国神奈川』の名声を一層高めてくれた快挙であった。