常石さん、アマ名人初防衛

 第5期朝日アマチュア囲碁名人戦三番勝負(朝日新聞社、日本棋院主催)は7月24日と25日に、神奈川県湯河原町の「ゆがわら石停」で行われた。アマ名人の常石隆志さん(19)=三浦市=は挑戦者の河成奉(ハ・ソンボン)さん(28)=東京都中野区=を2勝1敗で破り、アマ名人の座を守った。過去4期の三番勝負は全て挑戦者がタイトルを奪っていたが、今回初めてアマ名人がタイトル防衛に成功したことになる。24日の第1局に敗れた常石さんは、25日午前の第2局で乱戦を制し黒番4目半勝ちで制すると、午後の第3局でも持ち味の手厚さを発揮、河さんの形勢判断の誤りをついて、白番3目半勝ちを収めた。

 常石さんは、前身の朝日アマ囲碁十傑戦時代を含めて、史上最年少タイとなる18歳で09年に朝日アマ囲碁のトップに立った。日本棋院の院生を年齢制限で辞めたが、囲碁指導員をしながらもプロを目指し、2010年には見事プロ入りを果たした。

 韓国出身で世界アマ選手権(2008年)での優勝経験を持つ河さんは「常石アマ名人とは打ったことがない。しかし自分は日本に来てから実力が上がった気がする。自分の碁が打てればきっといい結果を残せると思う」と意気込みを語っていた。しかし、第3局で形勢判断の誤りなどがあり、常石さんに押し切られた。

 常石さんの話、「河さんが相手で、勝てる気がしなかった。第1局で破れ、思い切って打てたのが良かった」。

 日本勢はプロもアマも、韓国や中国に遠く及ばない現在、常石さんの防衛は誠に素晴らしい。まして、世界アマ選手権で優勝した選手は、世界のトッププロとして活躍することが多いことを考えれば、河さんを破っての防衛は、誠に快挙である。

<第5回朝日アマ名人戦三番勝負・第3局>

 白  常石隆志 アマ名人 vs 黒  河成奉 挑戦者----白3.5目勝ち