囲碁映画のエキストラに出演 | |||||||||
面白い体験をしました!! |
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はじめに 「日中国交正常化40周年記念の一環で作製中の囲碁の映画にエキストラ出演いたしました。中国との囲碁交流は長い歴史があります。県囲碁連盟としても、今後、日中囲碁交流についていろいろな形での関係を深めて行きたいと思いますが、今回の体験もその一環です。 来年春に公開予定のこの映画は、監督と主人公は中国人、そして日本の大女優の倍賞千恵子さんが共演されます。 物語は、中国で囲碁の鬼才と呼ばれた棋士・吉流は、さらなる飛躍を求め来日する。しかし日本語もわからず仕事も見つからない。何もかも思い通りに行かず、日本の生活に戸惑っていた。そんなある日、吉流は行商の老婦人・五十嵐(倍賞千恵子)と出会い仲良くなります。そして五十嵐は、本当は囲碁の名門の出でありながらそのことを隠し、日本の生活に戸惑う吉流にテレビ囲碁大会や日本棋院の奨学金選考試験に臨む機会を作ってあげたりするというもの。 我々エキストラは感動的なラストシーンに出演いたしましたので、遅ればせながら、ご報告いたします。 日時 2011年6月6日(月) 午前10時〜午後4時ころ 場所 横浜市開港記念会館 エキストラの人集め 各世代の囲碁の打てる男女エキストラ、目標約40人を、6月6日(月)の week day に集めることができるか心配でした。日中友好の民間交流に貢献できる、大女優の倍賞千恵子さんにお会いできる、出演料はないけれどステキな記念品がいただけるなどの楽しみもあり、連盟側では以下の方々に協力いただき、35名ほどが参加いたしました。これに、映画会社側で集められた数名を合わせ、目標約40人が達成できました。 ・県囲碁連盟----平山重松、府川浩二、梶原俊男 ・横須賀囲碁連盟----田中哲男夫妻、田中礼子、海老原起世子夫妻 ・日本棋院支部「横浜本因坊手談」----府川信恵、柳下裕統、星 俊夫、金光哲男、吉成勝利、渡辺志穂、吉田久仁子、竹内貴弘 ・日本棋院支部「宇宙棋院」(はまゆう会)----田中裕子、内田濱子 ・日本棋院支部「久里浜囲碁クラブ」----池田好治、矢沢秀男、佐藤邦裕 ・中国出身の蘇耀国日本棋院八段後援会----友寄英哲夫妻、小泉賢司 ・6月5日(日)に開かれた横浜市各区囲碁対抗戦参加者----平松勝利、田辺敏行 ・東芝研究所およびNTT研究所の関係者----大森広文、吉武静雄、宮井浩康、白石旭夫妻、小松俊雄、山田耕・純子夫妻 ラストシーン 開港記念会館の1階の大広間で囲碁大会を開いているところに、五十嵐(倍賞千恵子)が静々と杖をついて入って来ます。最初みんな気がつかないけれど、一人が気がついて言葉を発すると次々と立ち上がり、みんなの視線が集まる中、五十嵐は正面の大盤の前まで進み、棋譜をじっと眺めるといったラストシーンです。 ラストシーンの撮影が始まる前に、平山重松県囲碁連盟会長からお礼の挨拶がありました。
囲碁映画の例 囲碁が主題の代表的映画をご紹介いたします。 @ 「未完の対局」 登場人物は、1928年に14歳で来日した呉清源とそのライバル木谷實を思わせます。呉は映画好きでよく映画を観に行かれたとのことです。10周年記念映画として製作された、初の日中合作映画。1982年公開。大正から日中戦争を挟んだ昭和にかけて、日本と中国の囲碁の天才棋士の交流を描いた作品。日本側は、三國連太郎、紺野美沙子、三田佳子、山本亘、石田純一、乙羽信子、松坂慶子らの豪華キャスト。1983年モントリオール世界映画祭グランプリ獲得。 A 「囲碁王とその息子」 SKIPシティ国際シネマ映画祭2008:長編コンペ『囲碁王とその息子』は中国作製映画。父母の離婚に戸惑いながらも、囲碁の才能以外は何も持っていない父について行くことを決めた息子。“碁聖”と呼ばれる父は息子にとって自慢の父なのだが、別れた妻から絶対に息子には囲碁なんてやらせないでと釘を刺されていた。父は妻との約束を守ろうとするが、息子は父も全く予測していなかった驚くべき囲碁の才能を持っていた。 B 「ヒカルの碁」 原作:ほったゆみ、漫画:小畑健、『週刊少年ジャンプ』(集英社)に、1998年12月から2003年7月まで連載された。アニメ 映画はテレビ東京系列にて2001年10月10日から2003年3月26日まで全75話が放送された。 囲碁アドバイザー:梅沢由香里五段(現吉原由香里五段)。 C 「篤姫」 一昨年のNHK大河ドラマ「篤姫」では、しばしば対局のシーンが出てきました。「ヒカルの碁」同様、囲碁の指導は梅沢由香里五段(現吉原由香里五段)です。 エキストラ参加後記 撮影3日前に、エキストラを40人ほど集めるという 難題に挑戦できたのも、日中友好に貢献したい、大女優・倍賞千恵子さんに会える、それと映画会社の担当者の熱意の3点が大きな動機付けでした。 ”手段”といわれる囲碁のコミュニケーション・ツールを使って、ボランティア団体として、日中友好にささやかな貢献ができるのではという期待をもつことが出来ました。参加いただいたエキストラのみなさんも面白い体験ができたのではないかと思います。県囲碁連盟としても、今後の日中囲碁交流を視野に入れています(碁ルネッサンスでの検討)。その際、中国の方と、日中合作の囲碁映画にエキストラとして出演しましたというお話をすることができ、親睦が深まるシーンを想像できます。 エキストラの中にはユニークな方もたくさんいらっしゃいました。友寄英哲先生は、かつてπの記憶術で5万桁を暗記されギネスブックに載りました。最近、大学教授をリタイアされた方は、お嬢さんがニューヨークにある大学で映画監督になるための学科に学んでいて、エキストラ出演直後に娘さんの卒業式に行くところで、エネルギッシュに働く若いスタッフの方たちを見て大いに参考になったとおっしゃっていました。また、久しぶりの再会もあって、皆さん結構楽しまれたようです。 来年春の映画の公開が待たれます。是非、感動的映画に仕上げていただきたいと陰ながら応援しています。公開に際しては、エンドロールの末席に「神奈川県囲碁連盟」の名前が載っていることを期待しています。この映画の、今後の進捗の状況は、当ホームページでご紹介できると思います。 エキストラのみなさん、ありがとうございました。 <取材> 梶原俊男 (県囲碁連盟) |