第1回親善ペア碁大会

嬉しい!楽しい! 初めてのペア囲碁大会

 神奈川県囲碁連盟が主催する初めてのペア囲碁大会が、10月30日、横浜駅西口の宇宙棋院で開催された。県囲碁連盟が主催する棋戦で女性や子供を対象とする大会には、「女流大会」と「ジュニア名人戦」があった。「女流大会」は昨年30周年を迎え、女性囲碁ファンの拡大に大きな役割を果たしてきた。しかし、近年参加者は減少の一途を辿っている。女性も男性と同様に気軽に楽しめる碁会所や公民館が増えてきたためであろう。また、「ジュニア名人戦」も参加者は減少の傾向にある。"ヒカルの碁"のブームで誕生した少年少女の囲碁ファンは目覚しく成長し、特に本県選手は毎年のようにジュニアの全国大会で優勝しており、更には、俊英プロをも毎年輩出するなど、ジュニア育成は大成功を収めた。しかし逆に、全国に名前を轟かせるほど強い子供が多いことが、かえって参加者を減少させている原因にもなっている。

 このような情勢を考えたときに、この二つの大会は発展的に解消し、"女性も男性も""大人も子供も""強い人もそうでない人も"参加できる大会こそ最も必要なのではないかと、ペア囲碁大会が創設された。当日は何と、予想を上回る62組124名の参加があった。原則男女ペアであれば誰と組んで申し込んでも良いし、親族であれば男性同士、女性同士でも良い。夫婦ペア、親子ペア、兄弟姉妹ペアをはじめ、碁会所・同好会ペアなど色とりどりのペアであった。中には、申し込み時点では会ったこともなく、その日初めて顔を会わせるペアもあったが、そこは意気を合わせて対局に臨んだ。

 当然男女はほぼ同数。年齢も6歳から97歳までと90歳以上の開きがあり、二人合わせて164歳のペアもあった。強さも県代表クラスから、19路盤でやっと打つことができるようになった子供まで、あらゆる層の囲碁愛好家を集めた大会となった。

 大会は全てハンデ戦で、3局対戦した。県代表クラスを八段=8点とし、以下1段・1級下がるごとに1点下がる持ち点法で、二人の持ち点を足して2で割った平均点がそのペアの持ち点となる。
 この持ち点の高い順に8組ずつAからGまでのブロックを作り、そのブロックの中での変則リーグ戦によって対戦していく。従って余り手合いが離れた対戦はない。手合い割りは二人の平均点を相手ペアと比較して、通常と同じハンデ戦で行われる。
 手合い時計を使い、持ち時間は45分。普段早打ちの人も熟慮してなかなか打たないのも面白い。パートナーに対する責任を感じるからであろう。ペア碁は対戦相手が何をしたいのかを考えるだけではなく、自分のパートナーの思いを推し量ることがもっと重要ともいえ、そこがペア碁の面白いところである。

 成績もそのブロック内で優勝と2位を決める。3勝すれば文句なしだが、1敗しても2位や敢闘賞が待っている。更に負けても一生懸命打てば、何より楽しい! 特別賞も用意されている。「最高齢賞」は97歳の佐治喜久子さんに、「最年少賞」は6歳の林田茜ちゃんに贈られた。そのほかにもユニークなペア名2組に「ネーミング賞」が贈られた。参加賞だけの人も大満足である。何しろ、崎陽軒、ファンケル、ユニックス、ダイドードリンコの各社が協賛して下さったのだから。協賛会社の皆様、有難うございました。 今年参加できなかった方も、来年は是非お越しください。早く申し込まないと定員に達して締め切られてしまいますよ。

 参加者にインタビュー、
「1回戦は大変緊張したけど、2回戦からは面白くなった」(女子中学生)   
「順序を間違えない自信はあったが、2回も間違えてしまった」(シニア男性)  
「うきうきする雰囲気で面白かった」(シニア男性)
「いい手をフォローできなく、パートナーの方に申し訳ない気持ちになった」(女性)   
「賞をたくさんいただいてうれしかった」(女子小学生)   
「初めて体験したけど面白かった」(女性・シニア男性) 
「期待したところにパートナーが打ってくれると気持ちが繋がっているなと実感でき嬉しかった」(シニア男性)

各ブロックの優勝・準優勝ペアは次のとおり。
Aブロック @藤田聖・秋谷昂志(5.5)  A池田芽萌里・柳下裕統(5.0)
Bブロック @増子みれい・中村徹(3.5) A山川明美・佐藤守平(3.0)
Cブロック @早川詩乃・木村憲司(2.5) A林田茜・井上晴方(2.0)
Dブロック @竹下恵子・徳山昭(0.5)  A貞苅二榮・貞苅泰人(1.0)
Eブロック @府川信恵・府川浩二(-0.5) A輿石久美子・寺尾昭徳(-0.5)
Fブロック @伊藤玲子・花村和久(-1.5) A藤巻るり子・工藤幸弘(0.5)
Gブロック @松木南々花・松木工弥(-2.5)A根本明子・豊田貞夫(-6)(3戦全勝)