第35回文部科学大臣杯全国高校囲碁選手権

 個人戦で 谷 結衣子選手 初優勝

 
団体戦でも 湘南白百合学園が3位入賞

 ご覧下さい、表紙の嬉しそうな顔。日本棋院が主催する第35回文部科学大臣杯全国高校囲碁選手権大会、7月25日〜27日まで3日間日本棋院で開催され、谷結衣子選手(湘南白百合学園2年)が女子個人の部で初優勝を飾った。神奈川勢の優勝は、第23回大会の宇根川万里江さん(聖ヨゼフ高校)以来12年ぶりの快挙である。

 女子個人戦には各都道府県代表の48人が参加。8ブロックに分かれて予選リーグを行い、各ブロックの1位が決勝トーナメントに進出する形式で行われた。
谷選手は予選、決勝トーナメント共、ベスト4までは順調に勝ちあがった。準決勝戦の佐藤選手(三島北高校)との対戦は優勢だった谷選手が大石を取られ大逆転。しかし、ここから猛迫して再逆転、半目勝ちの辛勝だった。決勝の相手は昨年3位の強豪、東京代表の二宮歌穂選手(国学院大学久我山2年)との対戦。谷選手は「平和にゆっくり打ちたい」とコメントして決戦に臨んだ。

決勝戦は審判長の石倉九段によると、「序盤は白番の谷さんが優勢に打ち進めていたが、中盤に入り白に緩着が出て、黒の二宮さんが優勢になった。しかし、秒読みに入って谷さんに妙手が出て再逆転した。谷さんの後半の粘りが素晴らしかった」という戦いであった。

 谷選手は「二宮さんとはいろいろの大会で対戦したが、一度も勝ったことがなかった。嬉しいの一言に尽きます」と大一番の後とは思えない落ち着いた態度で話した。団体戦から見守った母美紀子さんは「まさか優勝するとは思わなかった。大勢の友人に支えられ、応援していただいたおかげです」と喜びを語った。

 結衣子さんと妹の麻衣子さんの天才姉妹は、藤沢の佐々木慶さんに師事した。以来急速に強くなり、お二人とも今では一般の県大会でトップクラスを何人も破った実績さえある。師匠の佐々木さんは「二人が来始めたのは5歳と7歳のころですかねー」と幼いころを思い出し、嬉しそうに目を細める。

団体戦でも、谷選手率いる湘南白百合学園(谷結衣子、塘田明日香、角田夏深)が頑張り、3位に入賞した。3人は全員2年生で、昨年と同じメンバーで臨んだ。8組に分かれての予選リーグを全勝で勝ち抜くと、決勝トーナメント1回戦で南山女子部(愛知)を破ったが、準決勝戦の戸山(東京)との対決は、主将の谷選手は勝ったがチームは1勝2敗で敗退。しかし、順位戦でも頑張り、真和(熊本)に勝ち、3位に入賞したのは誠に立派。来年もまた楽しみである。