大阪でユニークな「囲碁サロン爛柯」を発見!!

             大阪を訪れる囲碁愛好家の皆さん、一度、覗いて見てはいかが!!


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 6月2日(日)、3日(月)と、家族に会うために1年ぶりに大阪を訪れました。新幹線下りで、ふと気が付くと、「のぞみ」の車窓から世界文化遺産に登録されることになった富士山の姿が神々しく見えました。
 念のためインターネットでJR大阪駅周辺の碁会所のアドレスを4、5件検索して持参したことが役立ち、3日は朝から暇になったので、一番近そうな梅田1丁目1番地の第3ビル17階にあるにある「囲碁サロン爛柯」を訪ねました。丁度開店前の10時に着き、事情を話すと「午前中は教室をしているので見学されたらいかがですか、指導碁も打ちますよ。無料でいいです。」と席亭の方が親切に言われたので即入りました。以下、体験記です。
爛柯のHPへ

体験記
 以下の写真をご覧ください。
イデックス写真をクリックすると拡大写真が現われます。
琥珀色の豪華な雰囲気 周囲の高層ビルの展望 棋譜解説 指導碁 解説と指導碁の同時並行

 部屋に入ると、琥珀色のカウンター、立派な椅子とテーブル、そして碁盤セットがあり、全体が落ち着いた文化的香りのする豪華な囲碁サロンです。これまで、関東地区でこんな立派な囲碁サロンに入ったことがありません。
 喉が渇いていたのでコーヒーを注文するとサービスしてくださいました。しばらくして、席亭の方とアシスタント(きっと強い方)のお二人で事前に配られた生徒の打った棋譜の解説が始まりましたので、コーヒーを飲みながら聞きました。解説は、定石を例示したり、何故この手が悪いか、もっといい手があるか、細部での気が付きにくい手などなど、内容の濃さに驚かされ、大いに勉強になりました。一体、この席亭の方はどなたなのだろうと思いました。
 解説の後、指導碁の三面打ちが始まり、一局お願いしました。県代表に3、4子くらいと伝え、何子置きましょうかとお聞きしたら何子でもと言われたので4子置き、なんとか中押しでしたが、ビジターとして歓迎してくれたのだと思います。ご参考までに序盤の導入部だけを以下に。

 森野節男(棋士九段、白) vs 梶原俊男(神奈川県アマ六段格、黒) 4子局

 休憩時間になり、席亭の方と名刺交換しました。関西棋院森野節男九段と知って納得しました。私も、この年で、神奈川県のダサいホームページを編集していますと自己紹介し、帰ったら、ユニークな囲碁サロンを紹介させていただきますと伝えました。以下の主な資料を頂きました。神奈川県では、府川浩二さん(県囲碁連盟・県支部連合会副会長)を知っていますとのことでした。
A4三つ折りの囲碁サロン爛柯のリーフレット----爛柯の水墨画の出典はネット検索しましたが不明
爛柯教室案内----苑田勇一九段&小田浩光七段、森野節男九段、横田茂昭九段、洪爽義アマ名人、および飛田早起紀女流棋士の教室。洪アマ名人は、阿含杯および竜星戦でプロ棋士に9連勝したとのこと
一期一会----NPO法人囲碁国際交流の会の会報。森野九段も会員として協力されている
福祉囲碁----NPO法人日本福祉囲碁協会会報森野九段も協力されている

 この後、次の教室が始まったので、サロンを後にしました。

編集後記
 
森野九段はプロ高段者だからこそ可能な囲碁への奥深い理解をバックに棋譜の解説をされます。教室はとても新鮮で、指導碁でもプロの高段者はこんな手を打つのかと驚かされ、2時間余りの教室体験で半目強くなった気分になりました。関西棋院の棋士紹介ページにある森野九段のファンへの一言「キレる所はすべてキレ」は刺激的な言葉で、碁の面白さ、ひいては前向きな人生を伝えようとしているようで印象的です。帰りの新幹線では、刺激的な体験ができた嬉しさで、富士山は見えませんでしたが車中のコーヒーは美味しかったです。
 
 「爛柯」のルーツはいろいろあるようです。
日本棋院のかつての機関誌「棋道」の姉妹誌として「爛柯」が発売されていたということは知る人ぞ知ることですが、爛柯は歴史的・文化的響きのある用語です。森野九段は、子供教室やパラリンピックなど幅広い活動もされています。サロンの経営は、囲碁の文化的魅力のアピール、著名なプロ・アマ棋士が参加する質の高い教室、森野九段の魅力などが特徴のように思われました。

 一般財団法人関西棋院と公益財団法人日本棋院とは、法人格として対称的です。両棋院以外の囲碁普及活動は、囲碁連盟(任意団体)、プロ棋士独自の囲碁サロン、棋院配下の支部、アマ囲碁愛好家の囲碁サロンなどによりそれぞれの特徴を生かして行われています。囲碁サロン爛柯はプロ棋士の囲碁サロンです。
 一般に、これらの囲碁活動においては、何を特徴にして囲碁ファンを獲得するかが課題です。中国、韓国に負けない、世界をリードする新しい日本の囲碁はどうあるべきかは最上位の課題で、両棋院を筆頭に、囲碁関係者が切磋琢磨し知恵を出して行く以外にないでしょう。アベノミクスの第三の矢は、囲碁界でも必須です。インターネットが有効な役割を演ずるような気がします。

 大阪を訪れる囲碁愛好家の皆さん、一度、囲碁サロン爛柯を覗いて見てはいかが。

編集> 梶原俊男(日本棋院県支部連合会・神奈川県囲碁連盟)