棋譜

鎌倉市シニア囲碁大会

 藤岡正弘五段(黒) vs 小泉弘夫七段(白) 2子----白139手以下略、黒中押し勝ち

白の小泉さんは、高校生の頃、祖父から手ほどきを受けた。「欧米ではスポーツと同じで、『中押し』は途中放棄でおかしいと考えられているようだ」。黒の藤岡さんは、子供の頃父が打っているのを見て覚えた。ウオーキングや登山も趣味。「年齢、体力、棋力に関係なく誰とでも楽しめるのが良い」。

本Javascriptの碁盤は松永さんの作成されたものを利用させていただいています。ありがとうございました。
(解説: 松本泰男)
この碁は2子置いた模範局です。黒の藤岡さんは、鎌倉では有数の打ち手の小泉さんに対し、読み負けせず戦い抜きました。「置き碁は守って勝つもの」と考えている人は、是非並べて見てください。
・白9は少し薄く、7の一路下マガリが厚い手です。
黒14は右下の白が強くなりましたので、17−六が相場です。
・白19は黒20と換わって、黒を強化させ悪そうな手です。打つなら4の一路右ハネでしょう。
・白21は黒22と換わり、右辺への打ち込みをなくしています。白23と一貫して大模様作戦のように見えますが、黒24が絶好点。黒34まで先手で生きて、布石は黒がリードです。
・黒36が白の薄みを突いた素晴らしい一着。黒38や40も実に軽快な打ち方です。
・黒42からの攻めに白43とまともに応戦しましたが、ここは56ツケなどでサバくところでしょう。一気呵成に黒64まで、黒は勝勢を築きました。
・白65は先ず50の右に打って、シメツケなければいけません。黒66が機敏な手で、白は更に追い立てられることになりました。
・黒68のような手で稼ぎながら追うのが攻めの極意です。白は勢力を張ったつもりの場所でこんなに酷い目にあうとは思いもよらなかったでしょう。
・黒86で137に出られていたなら、この碁は終わりでした。
・黒88に対する白89は必死のところですが、右側には手がつけられないほどの強力な黒の壁が控えていますので、とても威張れる場面ではありません。しかし、黒は90・98と堅実一路です。白も99まで良い地を持ちましたが、中央にも黒地が見込まれ、形勢は大差です。
・白109に対する黒110からの戦いも見事で、黒138まで揺るぎない完勝ペースです。