棋譜

世界アマ選手権大会県大会

 佐野 稔六段(黒) vs 府川浩二六段(白) 互先 6.5目コミ出し----白223手以下略、白6.5目勝ち

白の府川さんは、別項「府川浩二さんの活躍」でご紹介のとおり。黒の佐野さんも県を代表する強豪。子供の頃兄から教わった。「大会で勝ち上がるときが楽しい」とは、さすが強豪の弁。この碁は激戦に次ぐ激戦です。お二人とも比較的ジックリした棋風ですが、県大会のトーナメント戦ともなれば、これほど激しく戦わなければ勝ち抜けません。

本Javascriptの碁盤は松永さんの作成されたものを利用させていただいています。ありがとうございました。
(解説: 松本泰男)
私如きが「解説」などと大それたことではなく、ご一緒に名局鑑賞と参りましょう。


・黒15は12の一路左にツケるのが普通です。白20までは、白が早くも一本取った感じです。
・白38まで黒は若干苦しくなってきました。13と19の間のワリ込みも気になります。
・黒は41から43と先ず大石の安定を図りましたが、白50までかなり隅で損をしました。
・黒51は右下大ゲイマシマリくらいでしょう。
・白62は64で不満はないでしょう。黒63には白64と切って戦う作戦でしょうが、黒65が急所で白はしびれました。
・黒79では89にノビると、白は困ったでしょう。
・黒91からの折衝は手筋のようですが、黒104のサガリは、白5子を取っても生きはなく、利いていません。双方に同じ錯覚があったようです。
・黒117までコウになった形ですが、実は黒119で92の一路下に打ち欠けば、ここは両コウで黒の無条件勝ちでした。従って、白122までのコウ代わりが打てては、白望外の結果です。しかしこの結果は、白地も多いが地と厚味で黒断然優です。
・黒123は緩着か。125に打てば、白の乗ずる余地はなかったでしょう。優勢を意識した途端緩み始めるのは、誰の心理も同じ。いや形勢が判断できるだけに余計そうなのかも知れません。
・白は124と目一杯頑張ります。隅でも136まで、下辺も156までそれぞれ小さくない生きです。
・白は更に158から160と黒に食いつき、頑張り続けます。黒は165で166とツイで店じまいしたいところです。このコウは黒に負担が重過ぎます。
・黒171も後退、敗着となりました。強く173ハネでなければなりませんでした。