<囲碁 実戦軌範より>

 
 
NT氏(七段、白) vs OS氏(二段、黒)----2子番、黒188手まで、黒中押し勝ち

注1)189手以降はクリックしないでください。

注2このJavascriptの碁盤は松永さんの作成されたものを利用させていただいています。

◆講評

・黒8は、白11までの趣向を破る意味でも、左上C07二間ビラキが厳しくてよい。
・黒12は打たないで、右辺Q09と大場を制するのがよい、何となれば、黒6が弱体化したから。その後、白がC17とコスんでくれば、黒D17と好形を得られる。
・黒18で白17にK15とツケて白の応手を問うのもよい。
・黒20は単にG10と一間に飛び勢力を加え、暗にD13と白の欠点を狙う。黒18、白19を交換した後の黒20は手順前後矛盾の感がある。
・黒22は緩い、図1の変化を試みるのがよい。
・黒40は用心のし過ぎ、右上、N14ツケ、白M04ハネ、黒N05ノビ、白O03ノビ、黒P03オサエとツケノビ定石を選んで右辺を厚くし、遥に、左辺の黒8、黒18に声援を送るのが賢明。
・黒44は、O09のノビである。
・黒56、黒58は好点であるが、黒56でM09の押しも大局的要所、これに白Q03の三々なら、黒N02、白M02、黒R05で問題ない。このように打っておけば中央の威力が増し、後の、白R09ハネや白Q10切り等の被害はなかったはず。
なお、白三々打込み後に図2のように隅で生きを図れば振り替わるのもよい。
・黒68は単にK05とコスむ方がいたずらに紛糾しない。
・黒74を打たずに、図3、または図4がよい。
・黒78はとにかく、H04にアテるのが急務。
・黒86でO11と掛け、白R11と黒62をカカえれば、黒P11と締め付け、白がS10と取った時、左辺に黒D13とツクのもある。
・形勢は、黒からD13、N17の手段があり、白難しい局面である。
・黒96でO17とツキアタると図5のようになる。譜のように先に黒96と打つと白97と先にダメがつまり、白圏内にある黒2子の行動が不便になる。
・白111は打たずにR15と打ち、白5子のダメを詰めないのが後の利害に大きく関係する。
・黒120で図6のように進行すれば、黒、中央が厚くなる。
・白125で先にE16と下方に出て、次いで黒E17押え、それから白F15と曲れば、黒は手を抜いてB12に打てなかった。
・白125に対して、黒B15と突き当たっておけば、黒126を省略できた。
・白145では、C06と切り、黒A05取り、白D05のアテとコウを仕掛けて局面展開を図るべき。
・黒188は巧妙な応手、この手で普通にL13に受けると、白K14、黒L14オサエ、白J11、黒K10と先手で地を稼がれる。黒188がトドメの一着でした。
図1

白2は黒7の所、黒9は白8の上
図2

白6は黒5の上
図3

図4
図5

図6