<囲碁 実戦軌範より>

 
 
YK氏(七段、白) vs NY氏(初段、黒)----3子、白209手まで、白勝ち

注1)210手以降はクリックしないでください。

注2このJavascriptの碁盤は松永さんの作成されたものを利用させていただいています。

◆講評

・黒16で、N04にツケ、白M04のハネ、黒N05のノビとツケノビ定石を打ってもよい。そうすれば、黒の堅固になったところに白15が近づいていることになり黒の利になる。
・黒22はQ03に置くのが無難。
・黒30はM11の一間トビで差支えない。右下隅には急に白より手段はない。
・白43は時機尚早。先ず、P12ノゾキ、黒P11ツギ、白L13一間トビ、黒K11一間トビが決まりがつかないので面白い。
・黒48は、下辺、星脇I16がよい。
・黒50は堅すぎ、ここでも下辺星脇I16が適切。白がF04に来たら黒B02、白がB02に来たら黒F04、と見合いで黒は生きている。
・黒66以下は機会を待ち、左辺C09に詰めるのがよい。ただし、黒66と打った以上は黒68で、R12にコスミツケ、白がS13と遮断すれば、図1または図2に、Q10と外せば図3になる。
・白73は、黒74と交換した意味において不利。単にR07と利かしておけばよい。
・黒76は、下辺、H17といっぱいに詰めるのが適切。
 黒76以下三着は、左辺C09の詰めの予備なら分かるが、隅の黒は安全、したがって黒からいつでもJ03に打込めることから三着の価値は疑問。これに反し、下辺H17、左辺C09は先着が大勢を左右するほどに重大使命を有している。黒76は、即、H17が適切。
・白79、81は消極的、C10と白を整えつつ、左下に迫るか、F04から逆襲して、C10と詰める機会を伺うのがよい。
・白87で参考図(最下段)がまた、白B05の押えの機会があれば隅の黒に響く。
・黒104、106の手段は面白くない、黒104では単にE14とコスみ、白がE14とオサえた時、J16とハネて白1子を制するのが急務。
・黒110は、図4と打つのがよい。
・黒116は図5のようにな打つのがよい。
・黒122では、図6、または図7で十分。
・黒128は、C15と控えた方が安心。
・黒140で、D11とツケれば、何ら問題は起きなかった。黒140をD11とし、白B11なら、黒C11。あるいは、白
C11なら黒B11で黒先手、また、白E11なら黒C11で白に策なし。
・黒144は、図8のように打つのがよい。
・黒168では、M18と押えれば数目の利。
・黒172で、左辺B08と先手で利かし、先手を取って中央、I10と策動すれば、勝敗は未だ分からなかった。
図1

白は黒を捕獲したくても、黒11の後、白a、黒bで白失敗。
図2

黒9は白10の上。黒13の後、白aと打てば、それは後手。白手抜きすればくろからaと行く手が残る。
図3

黒5と直ぐに行くかは黒の任意。
図4

図5
図6
図7
図8

この後、白、黒1の上に打って黒を取る、黒白2を取り返す、白コウ立てしても黒は構わず黒1と抜く。白これを避けて、黒1に対して黒3のところにツグくらい。黒はaと取り十分、白は下辺に向かう。
参考図

白aの打込みが狙える。また、白bに石が来ると、隅の黒に響く。